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アレルギー科

Allergology

アレルギー科|すこやかこどもクリニック 三ツ境|瀬谷区三ツ境の小児科

Allergology

アレルギー科

アレルギー疾患は20世紀後半から急増しています。疾患の増加に伴い、アレルギーに関する様々な情報が世間に溢れています。子どもの湿疹で病院を受診すると、「食物アレルギーのせいだから卵や牛乳を制限しましょう」と説明を受けることがあります。一方で、「血液検査で陽性を示しても食べられるから食物を除去する必要はありません」と説明を受けることもあります。様々な情報が溢れている現代だからこそ、最新の情報を取り入れ、患者さんに適切な情報をお届けできるようにいたします。

当院の専門は小児科のため、基本的には小児のアレルギー患者様を対象とさせていただきます。また、アレルギー検査はこどもへの負担が大きいため、6歳以上を対象としております。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎の3大症状はくしゃみ、鼻汁、鼻づまりです。アレルギー性鼻炎は下記の2種類に分かれます。

  1. 通年性アレルギー性鼻炎:年間を通して症状があり、主な原因抗原はダニ抗原です。
  2. 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症):季節性に症状があり、原因抗原はスギが代表的です。

アレルギー性鼻炎の全国疫学調査が10年毎に実施されています。1998年には29.8%であったアレルギー性鼻炎の有病率は10年後の2008年には39.4%、2018年には49.2%となり急増しています。現在は、アレルギー性鼻炎単独で国民の2人に1人は罹患しているという状況になっています。

鼻炎があると困ること

小児では50%以上の患者が生活の質が下がると言われています。代表的な障害は以下になります。

  1. 睡眠障害
  2. 集中力の低下
  3. 勉強への支障
  4. 口呼吸により、虫歯、口臭の原因など

アレルギー性鼻炎の治療

まず抗原の除去および回避することが基本になります。その上で、薬物療法(主に抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬)、舌下免疫療法、手術療法、生物学的製剤があります。治療に難渋する例では髙畑耳鼻咽喉科と連携して治療させていただきます

食物アレルギー

よくある症状

食物アレルギーでは皮膚症状(じんましん、赤み、かゆみ)、粘膜症状(瞼の腫れ、唇の腫れ、結膜の充血、口の中の違和感、かゆみ)、消化器症状(嘔吐、腹痛、下痢)、呼吸器症状(咳、ぜーぜー、呼吸困難)などの症状から全身性のアナフィラキシーの症状まで多岐にわたります。症状の多くは2時間以内に起こります。まれに半日から翌日以降に症状が出現することがあります。

食物アレルギーでお悩みの方

食物アレルギーは増加傾向にあり、食物アレルギーの割合は年齢によって大きく異なります。現時点で、各年齢の食物アレルギーの割合は乳幼児で5~10%、学童期で1~3%、成人では1~2%程度と言われています。

食物アレルギーの診断

食物アレルギーの診断は詳細な問診が大切です。さらに基本的に以下の2つの条件が必要となります。

  1. 特定の食物を摂取した後に症状が出現し、繰り返し症状の誘発を認めること
  2. 症状が出現した食物に関して、血液検査や皮膚検査を行い、免疫学的な機序を介していると判定されること

状況によって、実際に原因と考えられる食物を摂取する、経口負荷試験を行うこともあります。

食物アレルギーの治療

日常的な対応:アレルギーが疑われたからといって全て除去をするのではなく、「正しい診断に基づいた必要最小限の食物除去」が基本になります。成長するにつれて、原因食物を摂取できる可能性があるため、定期的に評価の見直しをすることが大切です。

緊急時の対応

食物アレルギーでは誤食をしてしまうことがあります。症状によって対応が変わりますので、個別に対応が必要になります。複数の臓器に症状が出現するアナフィラキシーが起こった際にはエピペン注射を行います。当院でも処方は可能です。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎はどのように診断されますか?

日本の診断基準には大きく3つの項目があります。

  1. かゆみがあること
  2. 特徴的な皮疹があること
  3. 慢性・反復性の経過をたどっていること(乳児では2ヶ月、その他は6ヶ月以上を慢性とする)

かゆみを伴う特徴的な皮疹があり、よくなったり悪くなったりする経過が長期間続いていれば、アトピー性皮膚炎を診断することになります。他の病気ではないか確認することも大切です。

アトピー性皮膚炎の治療はどのように行っていきますか?

アトピー性皮膚炎の治療では以下の3つのことが大切になります。

  1. 悪化要因の除去(ダニ、ホコリ、ペット)
  2. 薬(ステロイドの塗り薬を中心)
  3. スキンケア

これら全てを十分な期間続けることが大切になります。アトピー性皮膚炎でなかなか治らない場合には薬が正しく使えていないことがよくあります。また、環境要因が関係していることもあります。

気管支喘息

喘息とはどのような病気ですか?

喘息とは「気管支」と呼ばれる部分の病気です。呼吸をするとき、空気は鼻や口から入り喉、気管へ移り、気管が分かれて気管支になります。喘息は、呼吸をするときの空気の通り道である気管が狭くなり、呼吸が苦しくなる状態をくり返す病気です。喘息の人の気管は、いつも炎症がある状態(慢性炎症)にあり、刺激に対して過敏な状態になります。「喘鳴」という、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった笛の鳴るような呼吸の音が起こります。

どんな時に喘息の発作が起こりますか?

喘息の気管は慢性的に炎症があるため、刺激に対してとても敏感な状態にあります。外来では風邪に伴い喘息の発作が起こることをよく経験します。他にも、ダニやペットの毛、タバコの煙、バスやトラックの排気ガスなども喘息の症状を悪化させる要因となります。

乳児の喘息の診断はどのように行いますか?

乳児の喘息の判断はとても難しい場合があります。風邪などでも喘息に似た症状を起こすためです。乳児の気管はやわらかく細いため、風邪をひいたりすると痰や鼻汁が気管支に溜まり、結果として気管支が細くなり喘息に似た症状を起こします。喘息の診断は、これまでの経過、診察所見、治療反応性などから総合的に判断します。

喘息の治療はどのように行いますか?

治療としては、アレルギーの原因となる物質を排除するための環境整備が大切です。薬物の治療に関しては、発作時の治療と、発作を起こさせないようにする治療の2つ分かれます。

1.発作時の治療

発作の程度を見極めてから、気管支拡張薬を中心とした治療を行います。吸入による治療は比較的早く効果があります。1回の吸入で症状が改善しない場合には、再度吸入を行う場合があります。

2.発作を予防するための治療

喘息を悪化させる要因はたくさんあり、環境整備を行っていくことが大切です。また、気道の炎症を抑えるために内服薬や吸入薬による治療を行っていきます。