便秘、便秘症とは?
小児慢性機能性便秘症ガイドラインというもので、便秘は「便が滞った、または便がでにくい状態である」と定義されています。さらに、便秘症は「便秘による症状が表れ、診療や治療を必要とする場合」と定義されています。ここで大切なことは、便秘の定義には排便回数・排便頻度が含まれていないことです。
便秘症の診断には、排便困難や便貯留に着目することが必要です。
便秘
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便秘は夜尿と同じく、何となく様子をみてしまっていることが多い疾患です。外来では固いうんちで痛くて困っている子や、きちんとうんちが出ず自尊心が傷ついている子がいます。最近では治療開始が遅れるほど、症状の持続期間や治療期間が延長することも指摘されております。
小児慢性機能性便秘症ガイドラインというもので、便秘は「便が滞った、または便がでにくい状態である」と定義されています。さらに、便秘症は「便秘による症状が表れ、診療や治療を必要とする場合」と定義されています。ここで大切なことは、便秘の定義には排便回数・排便頻度が含まれていないことです。
便秘症の診断には、排便困難や便貯留に着目することが必要です。
代表的な症状に、腹痛、嘔吐、吐き気、集中力の低下、肛門周囲のびらん、夜尿、胃食道逆流症(げっぷ、口臭)などがあります。特に便塞栓による便漏れ便失禁が問題になります。「便秘なのに下痢がでる」「兎糞状の硬いコロコロした便を漏らす」などの訴えをよく聞きます。
症状によってはきちんと便秘と認識されていない例もあります。
肛門が硬く大きな便により蓋をされている状態です。便塞栓があると、便を出したくても出せない状態となっており、新しい便が来ると押し出されるように便が漏れ出てきたり、便塞栓の脇を便の液体成分だけが染み出たりします。この症状を「下痢がある」と訴える例がよくあります。
便塞栓があると治療方針が変わるため、便塞栓の有無を確認することが大切です。
便塞栓があればその治療を行うことがまず大切です。当院では超音波検査によって便秘の状態を把握します。便塞栓の解除が不十分で他の治療を行っても効果が期待できません。便塞栓を改善させた上で、規則正しい生活習慣・食生活、薬による治療を開始します。苦痛なく排便できるようになることが一つの目標です。